労働問題Q&A

労働問題Q&A

労働トラブル Q&A

目次- - - 答えは、裁判例によって変更になることがあります

就業規則編                     P-3

 Q、就業規則の作成に意見を聞かないといけないのか?
 Q、労働者代表とは?
 Q、パートタイマーから、退職金を求められた?
 Q、管理監督者の条件
 Q、セクハラでの降格は就業規則に規定が必要か?
 Q、会社のパソコンで、私用メールをしていた

給料編 P-4

 Q、給料を下げられるのか?
 Q、有給休暇をとった場合、皆勤手当を減らせる?
 Q、残業代を一律固定にできるか?
 Q、タイムカードの打刻通り、残業代を支払わなければならないのか?
 Q、勝手な残業代は、払わなくていい?
 Q、賞与支払い日に、在籍していない従業員に支払わなくてよい?
 Q、解雇した従業員から、提訴され、解雇が無効、その間の賃金は?
 Q,背信行為をした従業員に自宅謹慎させた場合の給料は?

休暇編 P-6

 Q、休憩時間の制限
 Q、休日の出張の取扱いは?
 Q、着替えに手間取り、遅刻になって減額できるか?
 Q、時間外の研修は残業か?

異動・出向編 P-6

 Q、配転命令を拒否できるのか?
 Q、配転によって、手当がなくなる(減額)?
 Q、入社後の職種転換は可能か?
 Q、出向の同意は必要か?
契約編 P-7
 Q、就業規則と契約書とどちらが優先?
 Q、求人広告と契約内容が違う
 Q、就職したら、条件が違う、即時解約できるか?
 Q、お茶くみを拒否、減給処分できるか?
 Q、長すぎる試用期間は?
 Q、試用期間の延長はできるか?
災害・傷病編 P-8
 Q、出向した場合の安全配慮義務は?
 Q、従業員同士がケンカ、損害賠償に、その場合、会社は?
 Q、休職を繰り返す、辞めさせられるか?
 Q、休職期間が過ぎたら?

解雇編 P-9

 Q、従業員を成績不振で解雇できるか?
 Q、社内不倫で解雇できるか?
 Q、事務所等においてあった、お茶のペットボトルを持って帰ったら解雇?
 Q、社外でチカンは解雇になるか?
 Q、経歴詐称は、解雇になるか?
 Q、懲戒解雇だと、退職金は?
 Q、試用期間中だと、即時解雇できるか?
 Q、行方不明になった従業員を解雇できるか?
 Q、懲戒解雇の従業員が、退職願を出した、その場合は?
 Q、退職後、ライバル会社に就職、その場合は?
 Q、社費で資格をとったら、退職時に返すのか?
 Q、長時間働いているパートタイマーを辞めさせられるか?

 

就業規則編

□ Q、就業規則の作成に意見を聞かないといけないのか?
  A、意見は聞かないといけないが、同意までは、求められていません。
□ Q、労働者代表とは?
  A、就業規則の届出には、労働者代表の意見書が必要です。
    最近、重要視されているのは、労働者代表の選出方法です。
    使用者が勝手に決めたりすることは、できませんので、挙手等により、
    選出されることが必要です。
□ Q、パートタイマーから、退職金を求められた
    (パートタイマーの就業規則がない場合)
  A,雇用形態によって、就業規則は作成すべきです。
    問題となるのは、適用する人を明確に区別してしないと、この場合、
    正社員に退職金があり、パートタイマーにない場合でも、
    退職金を求められれば、支払う必要がでてきます。
□ Q、管理監督者の条件
  A、労務管理について経営者と一体的立場にあること
    出退勤の時間が厳格な制限を受けていないこと
    管理者にふさわしい賃金等などが必要となります。
□ Q、セクハラでの降格は就業規則に規定が必要か?
  A,降格には、人事権による場合と懲戒処分による降格があります。
    セクハラでの降格は、管理能力の欠如等で、人事権で見られることが多く、
    就業規則に規定がなくても降格はできます。
    一方、懲戒処分としての降格は、就業規則に規定が必要になります。
□ Q、会社のパソコンで、私用メールをしていた
  A、メールが頻繫に行われた場合、就業規則に定め、懲戒処分もできます。
    就業規則に定めれば、確認のためのメールチェックも行える場合もあります
□ Q、職場で作成したデータを持ち帰ってもいいのですか?
  A、作成されたデータは、会社のものです。禁止すべきです。
    外部にもれた場合、損害賠償もあるので、就業規則に規定を明記は
    しておくべきです。

 

給料編

□ Q、給料を下げられるのか?
  A、一方的には、できない。しかし、下記の事情の場合、できる場合がある。
    (就業規則への変更等は、別で説明)
    ⑴特別の事情がある場合
     ➀懲戒処分としての減給
     ➁職能資格の引下げによる賃金減少
     ➂配転を行った結果としての賃金減少
     この3つは、事前に就業規則等で取り決めが必要。
    ⑵合理的な理由
     社員の同意を得る、倒産の危機など。
     説明努力等が必要。その他、他の措置が必要となる場合もあります

 

□ Q、有給休暇をとった場合、皆勤手当を減らせる?
  A,皆勤手当の減額はできます。金額の多い場合は、まだ、裁判例はありません
    従業員が失う利益よりも少ないということで合理的と判断されています。
    給料減額は、無理です。
□ Q、残業代を一律固定にできるか?
  A、固定だけでは、無理です。以下のことに注意すれば、固定として規定はOK。
    最近、固定残業代として、手当で支払っている場合がありますが、
    残業代として、手当として支払う場合、何時間の残業代か明記し、
    それ以上の残業をすれば、支払わなければなりません。
□ Q、タイムカードの打刻通り、残業代を支払わなければならないのか?
  A、実際に残業をしていなければ、支払う必要はありません。
    ただ、よくあるのが、残業を承認制にしていないとか、勝手に残って、
    残業をしている。それを黙認していた場合、残業になる場合があります。
    承認制を就業規則に明記することが必要です。
□ Q、勝手な残業代は、払わなくていい?
  A、必要性があり、今までに会社、上司が黙認、追認していたことが
    あったりすれば、支払う必要がでてきます。
    早出残業は、黙認していなければ、支払う必要がない場合が多いです。
□ Q、賞与支払い日に、在籍していない従業員に賞与を支払わなくてよい?
  A、原則は、会社の自由です。払う義務はありません。
    定年退職や賃金の後払い的性格のものは、別です。
□ Q、解雇した従業員から、提訴され、解雇が無効、その間の賃金は?
  A、支払わなければなりません。
    ただ、従業員がその間にバイトをして稼いだ分は控除できますが、
    最低、給料の6割は支払う必要があります。
□ Q、背信行為をした従業員に自宅謹慎させた場合の給料は?
  A、原則は、支払う必要があります。
    例外は、自宅謹慎させなければ、被害が増える場合です。
    支払う必要がない場合があります。

 

休暇編

□ Q、休憩時間の制限
  A、例えば、昼休憩に荷物待ちの場合は、休憩ではありません。
    昼休みの電話当番も同じです。
    会社によって、外出などを許可制にすることは可能です。
□ Q、休日の出張の取扱いは?
  A、単なる移動だけであれば、休日扱い。
    例えば、何か用事を休日に得意先に渡すとか、何か指示した場合は、
    休日出勤になります。
□ Q、着替えに手間取り、遅刻になって減額できるのか?
  A、仕事上、着替えが必要、業務命令になっている場合は、減額は無理です。
    義務命令になっていなくて、仕事上、必要でないのなら、可能性があります。
□ Q、時間外の研修は残業か?
  A、参加自由であれば、残業代はなし、強制参加であれば、残業代は必要。

異動、出向編

□ Q、配転命令を拒否できるのか?
  A、原則、できません。例えば、求人広告で大阪勤務とだけでは、拒否できない
    就業規則などに明記、業務上の必要があること。(不当目的ではないこと)
    勤務地限定社員は、拒否できる。
    特別な事情がある場合も同じく拒否できる場合がある(介護等など)
□ Q、配転によって、手当がなくなる(減額)?
  A、賃金の減額ではなく、手当がもらえなくなる(減額)は有効
□ Q、入社後の職種転換は可能か?
  A、入社時の契約条件によって、職種限定であれば、本人の同意が必要。
    一般入社は、関係なし。
□ Q、出向の同意は必要か?
  A、原則、同意が必要であるが、就業規則に明記があれば、同意なく可能である。
    濫用でない、不当目的でないこと。転籍は別です。

 

契約編

□ Q、就業規則と契約書とどちらが優先?
  A、就業規則の条件のほうが契約書を上回っている場合。就業規則が優先
   労働契約の条件のほうが就業規則よりも上回っている場合、労働契約のほうが
   優先しますが、この場合は、その他の問題で、弊害があります。
   均等待遇違反、就業規則の軽視等。
□ Q、求人広告と契約内容が違う
  A、違うことで、違反にはならない。求人広告で応募した時点では
    契約を結んではいない
    契約するときに文書で説明するほうが無難である
□ Q、就職したら、条件が違う、即時解約できるか?
  A、契約の際に書面で明示しなければならない項目があり、その内容が違えば
    即時解約ができます。その項目以外では、できません。
□ Q、お茶くみを拒否、減給処分できるか?
  A、できません。通常の業務命令違反にはならない。
□ Q,長すぎる試用期間は?
  A、通常、1~6ヵ月が妥当です。
    1年以上は不当とされ、6ヵ月たったあと、最低賃金法が適用される
    ことがあります。14日たつと、解雇予告手当が必要です。
□ Q、試用期間の延長はできるか?
  A、就業規則にない場合、一方的な延長はできない。
    就業規則に規定があり、延長するだけの理由があること。

 

災害・傷病編

□ Q、出向した場合の安全配慮義務は?
  A、通常、仕事上の指示は出向先にあるので、出向先が負います。
    出向元責任外というわけではなく、損害賠償を負う場合もあります。
□ Q、従業員同士ガケンカ、損害賠償に、その場合、会社は?
  A、通常は、会社は関係ないですが、業務上、関係があれば、使用者責任を
    問われる場合もあります。
□ Q、休職を繰り返す、辞めさせられるか?
  A、就業規則にキチンと明記することが必要です。
    2ヶ月休んで、出勤してまた、2ヶ月休むといったことに対して、
    類似の病気を通算するという明記、復帰のためには、会社指定の医師の
    診断を必要とすることなど、細かく規定することです。
□ Q、休職期間が過ぎたら?
  A、就業規則に規定がある場合、業務に復帰できない場合は、退職となります。
    ただ、業務に復帰の基準がむずかしく、医師の診断書によりますが、
    会社指定の医師を指定する場合が多いです。
    別の業務があれば、まず、別の業務に復帰させるという裁判例もあります。

 

解雇編

□ Q、従業員を成績不振で解雇できるか?
  A、➀H16年から、就業規則への定めが義務付けされました。
     就業規則に記載されない理由では解雇できなくなりました。
    ➁就業規則に定めがあるからといって、即解雇とはいきません。
     まず、配置転換などの代替措置が必要です。
     ただ、一般社員としてではなく、特別な目的等などでは、また、
     かわってきます。解雇もありえます。
□ Q、社内不倫で解雇できるか?
  A、通常では、就業規則に規定があったとしても、解雇まではできないようです
    就業規則にここまで、規定していないですが。
□ Q、事務所等においてあった、お茶のペットボトルを持って帰ったら解雇?
  A、通常は、そこまではできないです。
    金銭になると、話は違ってきます。懲戒処分は有効となります。
□ Q、社外でチカンは解雇になるか?
  A、これは、判例がいろいろあり、職種、社外への影響、過去にもあったか等、
    状況によって、解雇が有効、無効はわかれています。
□ Q、経歴詐称は、解雇になるか?
  A,過去の裁判例では、ほとんどが、解雇対象となっています。
□ Q、懲戒解雇だと、退職金は?
  A、程度の差はありますが、よほどの悪質でないと全額没収はすくないです。
    程度によって減額というのが多いです。
□ Q、試用期間中だと、即時解雇できるか?
  A,会社の規定で試用期間といっても、解雇予告なしでできるのは、
    14日までです。
□ Q、行方不明になった従業員を解雇できるか?
  A、家族に解雇の意思表示が届けばできますが、1人すまいのように、家には
    誰もいないとういう状況では届いていないということになります。
    方法としては、公示送達というのがありますが、
    今は、就業規則に規定することで退職等で対応できます。 
□ Q、懲戒解雇の従業員が、退職願を出した、その場合は?
  A、退職願を受理したからといって懲戒処分が消えるわけではありません。
    労働契約の終了だけであって、退職金の支払いや減額には関係ありません。
    退職してから、懲戒処分の理由がでてきた、その場合、損害賠償と
    いうことになります。
□ Q、退職後、ライバル会社に就職、この場合は?
  A,就業規則に規定され、
    競業避止義務違反により、その期間、場所、前従業員としての立場、
    年数等により、判断されます。退職金等の減額があります。
□ Q、社費で資格をとったら、退職時に返すのか?
  A、原則、返す必要はありません。
    ただ、立替金として、また、実費であり、雇用の継続を強制しないので
    あれば、別です。しかし、業務に関係がある場合は、返却の例はほとんど、
    ありません。
□ Q、長期間働いているパートタイマーを辞めさせられるか?
  A、過去に更新回数があり、通常、更新が普通に行われっているのであれば、
    無期雇用と同じ雇用と、考えられます。
    期間満了で、雇止めはむずかしいです。
    満了の1回前に予告するとか、話し合いでの合意退職等になります。